私の住む津島市西愛宕町で、絵画や写真、書などを展示する「画廊喫茶」として40年の歴史を刻んできた「茜屋」が、本日の夜をもって閉店するため、普段は行かない朝一番で訪れ、私が最近お気に入りとしているモーニングセットを注文しました。
店舗を借りている所有者の都合で建物が転売され、近々解体されるための閉店ですが、津島市周辺のアマチュア芸術家のたまり場として、公民館を借り切った合同展を開くなど、地域の芸術振興にも寄与していただけに寂しい閉店です。
「茜屋」の名前は知らなくとも、ビルがツタだらけの喫茶店とか、絵の展覧会をやっているコーヒー屋と言えば判る名所ともなっており、落語会やピアノコンサートの会場としても使われてきました。
私も過去に「神守丈友会」の仲間と一緒に3回の書道展を開催し、上高地の写真展を2回開催しており、店の閉店がなければ4月に写真展を開催する予定となっていましたが、用意した作品だけを残して開催は未定となります。
さて、私は毎日訪れる常連客ではありませんが、兄貴分のようなマスターから「お前はなぁ」と常連のように扱われ、馴染み客から「こっちに来なよ」と座席に誘われる居場所のような喫茶店でした。
私には漫画を読みに訪れる喫茶店が1軒ありますが、マスターやお客さんと一緒に雑談する喫茶店はここだけで、本当に行き場所を失ったように感じますが、過去に喫茶店だけでなく、写真屋さんとか家具屋さんなど、通ったついでに訪れて会話に花を咲かせる居場所が確実に無くなってきました。
「今日はどうしたの?」
「○×に行ってきたから…」
「みんな元気でやってるの」
こんな会話をしながら、通ったついでに用もなく訪れていた居場所が少なくなり、買物にしても店主との会話どころか、寿司屋は回転してくる皿を眺め、うどん屋は流れ作業で受け取り、コーヒー屋さんもチェーン店ばかりで店主の顔も判らなくなりました。
明日は文化会館で津島市に貢献した人々の表彰式と、結婚して50年を迎えた金婚夫婦を祝う式典が行われます。来週は、議会の一般質問をむかえるだけでなく、中学校の卒業式も行われ、別れと出会いの春を迎えていきますが、本日は人知れず消えていく伝統のお店の閉店に心寂しい一日ともなりました。
2月28日の一言