まもなく北京オリンピックが開会となるが、平和の祭典と言われてきたオリンピックが、諸外国での聖火リレーだけでなく、中国国内にも人民の不満から爆弾テロが発生し、国民を武力で鎮圧し、国民によって国民を監視させる前時代的国情を世界に発信することとなった。

 ウイグル自治区の警官隊襲撃事件を取材中の日本人記者が、武装警官に暴行され拘束される事件も発生したが、襲撃事件を目撃した旅行者の部屋にも警察官が押しかけ、パスポートの掲示を求めるだけでなく、カメラを押収して撮影した写真をチェックし、現場を撮影した写真はすべて削除されたとある。

 オリンピック会場の隣に地対空ミサイルが配備され、ヘリコプターが飛び、騒動が起きれば武装警官の装甲車が登場する街はとても正常とは言われない。こんな国でオリンピックを開催する事に無理があったと思われるが、とても観光客を受け入れる体制ではなく、旅行者はビクビクして行動するか、偽善者として振舞うしかないのでもある。

 3月のチベット騒乱に対する中国政府の武力鎮圧には、全世界から厳しい批判が寄せられたが、オリンピック直前に起こったウイグル自治区の爆弾襲撃事件も、根底にはチベットと同質の民族間の対立が存在し、独立を宣言していたウイグル族を中国共産党が一方的に統治しているのである。

 国土が隣接している事から、中国の国土のように思われがちだが、チベット自治区もウイグル自治区もチベット族やウイグル族が居住しており、今回の事件が起きたカシュガル周辺の人口の約9割がウイグル族で占められ、漢族はわずか2パーセントという事から、見方を変えればかつて日本が侵略した満州国と同質と言っても過言ではない。

 ただし、世界最大の人口と圧倒的な武器保有を誇る中国に、直接相対して平和を働きかける国は存在するとは思えず、チベット族やウイグル族の人々の苦難は解消されそうにもない。

 さて、本日の報道では、中国製冷凍ギョーザの中毒事件を起こした天洋食品のギョーザを食べた中国人が中毒症状を起こしていた事が判り、混入した農薬は当初の予想どおり中国国内で混入した事が確実と思われるが、こんな小さな事実すら認めない中国の姿勢には大きな危険を感じられずにはいられない。

 中国は今後十年間でおよそ30基の原子力発電所を建設すると発表しているが、真実の公表が果たされず、異端者は武力で封殺する現在の体制が続けば、世界最大の核保有国となった時、近隣諸国の危険性は最大となり、63年前の被爆から核廃絶を訴える日本の主張にもむなしさが残りそうだ。
                            8月6日の一言