汗と涙の高校野球の熱戦が続き、オリンピックでは北島選手が自分のペースで堂々と闘い、銅メダルを獲得したバタフライの松田選手については、出身地の「ビニールハウスのプール」から、当時の師弟関係を20年も続けている恩師の胸にかけた銅メダルなど、結果や戦績よりも人と人との人情や信頼関係の秘話に興味を感じる自分の年齢も実感する。

 久しぶりに高校野球を観戦し、かつて愛知県の東邦高校の監督として数々の戦績を残された阪口監督が指揮をとる岐阜県の大垣日大高校の試合を観戦するかつての東邦の教え子達。愛知県から駆けつけた教え子の「ご苦労様です」の一言に、無言でうなずく阪口監督の顔。

 このやりとりを見ているだけで涙腺が緩み、「おめでとうございます」の一声が発せられない。還暦を過ぎても変わらぬ闘志で指揮をとる監督と、いいオヤジになっても恩師のもとにかけつける教え子の姿に感激した夏は、阪口監督の後を引き継ぐ教え子の森田監督の指揮で明日の3試合目に東邦が登場する。

 さて、「日の丸に絶叫するオリンピック」に批判的な一言を昨日記したが、絶叫しなくとも勝つ者は勝ち、期待された男子柔道は惨敗が続き、女子柔道が見事な一本勝ちを続けている。オリンピックには参加する事に意義があると言われていたが、姑息な闘いで勝っても感動はない。

 前記した水泳の松田選手については本日の新聞記事を読んで、4才の時に宮崎県延岡市にあるビニールハウスのプールで練習を始め、多くの大学から進学を勧められても、恩師も一緒に練習できる環境を求め、愛知県の中京大学に進んで二人三脚で今日に至っており、現在も「反骨心を大切にしたい」と、三分の一は故郷の「ビニールハウスのプール」で泳いでいるという。

 松田選手が寒さに震えて泳いだビニールハウスのプールは、松田選手が高校時代に延岡市の補助でボイラーが設置され、久世コーチは仕事を辞めて水泳の指導に専念し、家族を残して単身赴任で愛知県に移り、4年前の個人コーチから今回は全日本コーチとして帯同した。

 活躍するスポーツ選手の多くは、首都圏の大学に進路を求め、最高の待遇と練習環境を求めて故郷の練習環境を顧みない例が多い。「支えてくれた多くの人々に感謝したい」と語るメダリストは多い。この気持と感動を忘れないで欲しい。
                          8月13日の一言
関係記事・朝日新聞↓
http://www2.asahi.com/olympic2008/news/TKY200808130221.html
http://www2.asahi.com/olympic2008/news/TKY200808130199.html