数日前より自転車にまたがるようになり、30年近く前の自転車とは言え、当時では人々が買わないような20万円近くした「ユーラシア」という自転車であるが、車体にサビが浮き出てはいるものの、愛用の電動自転車よりは楽に走れてスピードも出る事から磨きながら走らせている。

 もっとも、この自転車は私の物ではなく、独立開業してまもなく親から預かって雇用していたM君が買ってきたもので、私は大反対であったが、彼は母子家庭であった事から、それまで欲しいのを我慢していたらしく、自分の働いた金で当時の月給より高い自転車を買ってきてしまったのであった。

 挙句に誕生日が来るとオートバイの免許を取り、最初は原付きバイクで我慢していたものの、大型二輪を購入して仲間との遊びに精をだすようになり、そのまま我家に置いたままになったのが前記した自転車で、10年ほど前にタイヤを換えて私が乗ろうとしたが、結局乗る事もなく放置してあったのでもあった。

 不思議な事に、この自転車に乗り出してから、日頃からの運動不足で足は筋肉痛となり、頭のコメカミや首から身体中が悲鳴を挙げているが、腰の辺りの違和感が無くなり、血が身体中を循環している実感があり、これが続いたら私のメタボリックな身体も少しは改善されるとは思うものの、いつまで続けられるものなのかどうか…

 早朝から自転車の練習に出て行った三男が、雨のためにしばらくして帰ってきた。本日は朝から天候がすぐれず、雨は降ってはこないが何時降っても不思議でない天気に、午後から三男と家内の在所(約15キロ)まで走って行こうかと話していると、午後からは私へ訪問の約束があったらしく暫し待機となった。(私への用なら先に言っておくべきだが…)

 そんな訳で、本日は暗くなってから、サドルの位置を上げ、ハンドルの位置を一番低くするように息子に言われ、苦戦しつつも息子が試走したところ、自分のロード車と変わらぬスピードが出るとの話から、息子に30キロのスピードで走り続けるよう依頼して、町内を追走してみたが、欲を言えばキリがないもののこれで結構走れるものかもしれません。

 「それでも十分に戦える」との息子の言葉に感化され、「まさかー」とは思いつつも、ペダルを換え、ハンドルのテープを巻き直せばと考えると、M君の高いと思われた買い物も、「安物買いの何とか…」よりも息の永い価値が見いだされそうにもなり、しばらくは走ってみようとの気持ちにさせられるのでもある。

 ただし、持ち主であるM君の消息は、同級生で親しかった知人達にも判らないもようで、「大鹿さんなら調べられるんじゃない」、「いや、いや」と、議員に期待されても何ともならず、当時の懐かしい従業員と一同に会したい気持ちを持ちながら、それすら実現できない淋しさも感じているのでもある。
                                    11月15日の一言