「帰りに寄るからね…」、「ウン、待っとるワ」、第42番仏木寺(愛媛県宇和島市)の門前での会話。門前にはバラソルの下で、アイスクリーン(クリーム)を売る親爺さんがいるが、アウンの呼吸で山門をくぐって参拝後に立ち寄る。

 「ここで何年になるの?」、「ワシは12年、親父は〇〇年」、(中略)、「前に撮った写真インターネットに載せといたからね、今日も撮るワ」、「有難う、美味しいと書いといてよ」と言われて帰ろうとすると、足元から大きな菓子袋が出され、「2百円でこんなの貰っては」と固辞するものの、「ええから、食べて」と商売抜きの一言。

 別格5番の大善寺(高知県須崎市)では、参拝をしないままに朱印を求める参拝者に住職の注意がある。本来は本堂から大師堂に参拝後に納経所となるが、本堂が石段で上がる丘の上にあり、大師堂が下にあるため手抜きで逆の参拝とした。

 「しまった」と、先に本堂に向かった同行の3人を追い、本堂の網戸を開け、「入りますか?」と問うと、「いえ、いえ、ここで良いです」との返事。参拝後に納経所に行くと、「今日本堂に入ったのはあんただけだ」との住職の一言が。

 「朱印をスタンプラリーか、数珠球集めと思っている」、「ここでは厳しく注意されるからッ」、「最近は言うのもよそうかと、もうどうでもいいかッて」なんて世間話を続けていると、別格霊場会の公認先達推薦の話となり、「オレが信用してハンコ押すんだから」との約束となった。ただし、先に本堂に向かった3人は私が追いつく前に納経所でしっかりと注意を受けていました。

 「おい、あんた前に来たとき納経帳に名前入れてなかったな」、「さァー、どうかな?」、「いや、そうだ、そうだ」、「そうかなァ、でもどうして判るの?」、「判るさ、こんな珍しい名前は忘れないもの」、「じゃー、納経帳が真っ赤になるまで来るから記憶しておいてよ」、「うん、判った。だけどそれまでにオレが死んじゃうよ」、「僕の方が早いかも」なんて、健康話に発展する。

 「おい、気持ちいいから何か困った事があったら言って」、「じゃー早速頼もうかな」、「オレはひら田、ここにメモしといて」なんて「ご接待」を受け、落款を押した絵葉書まで戴いて愛媛県今治市の第55番南光坊の納経所を後にした。

 世間では酒井法子が覚せい剤で逮捕され、警察官や教員の語るのも恥ずかしいような事件が報じられていたが、私は四国遍路の3日間で四国の人々との会話によって清々しい気持ちにさせられ、改めて四国遍路の宣伝をする一日となりました。
                                   8月10日の一言
四国108ヶ寺(88ヶ所と別格20ヶ所)参り・2回目
8月7日から9日(6日夜出発・2泊3日)
高知32番から愛媛今治58番寺まで・別格5番~9番