昨年5月に大阪市浪速区で安全確認を怠って自転車で国道を横断し、事故を避けようとしたタンクローリーが男性2人をはねて死亡させた事故で、実刑判決を受けた大阪市西成区の自転車の男(61)に対し、大阪府警は19日、普通車とオートバイの運転免許停止処分(180日間)を決めたと発表した。
  
自転車で事故誘発、普通車免停に 大阪府警が処分 
 
 自転車の男は重過失致死罪に問われ、昨年11月に大阪地裁から禁錮2年の判決を受けた事で、自転車運転の責任をめぐって全国的な発信と話題になりました。
 
 過去の一言でも触れましたが、歩行者2人を直接はねて死亡させた車と運転手の責任が、テレビや新聞からは報じられてこないものの、何も保険が掛けられずに対人補償ができない自転車の無職男性の報道ばかり聞かされると、被害者の関係者に対する損害は十分にされていくのかが心配になってきます。
 
 事故の責任については、自転車の男性の横着な道路走行が原因と判るものの、被害者の2人は直接ぶつかってきたタンクローリーによって死亡しており、被害者はタンクローリーが自転車の男性をそのまま轢いておれば、死亡どころか事故に遭遇する事もなかったわけです。
 
 大阪府警はタンクローリーの運転手を不起訴にしたと報じられていたが、事故の責任を自転車の男性に求めるのは当然と思うが、果たしてタンクローリーの運転手を不起訴にする事が正しい判断だったのか、私は疑問に思います。
 
 被害者の側から見れば、直接ぶつかってきたタンクローリーの運転手に損害賠償を求めるのが自然と思われますが、不起訴になった運転手や雇用主が真剣に応じるとは思えず、無職の男性が損害賠償に応える能力があるとは思えません。
 
 仮に民事訴訟で、自転車の無職男性に被害者の損害賠償が言い渡されたとしても、男性に支払い能力がなければ泣き寝入りと同じで、被害者がタンクローリーの運転手に賠償を求めたとしても、起訴もされていない運転手や保険会社から十分な補償がされるとは考えられません。
 
 自転車の横着な走行や事故の増大が社会問題となっていますが、この事故について直接の対象者でない自転車の無職男性の責任を問うた大阪府警の判断は評価したいものの、当事者のタンクローリーの運転手を不問とした不起訴は身勝手なパフォーマンスのように思えるとともに、被害者の関係者への配慮に欠ける大きな失態とも思われます。
 
 私が被害者なら、横着な自転車が存在したとしても、その自転車との事故を避けるために、自転車より弱い立場にある歩道内の歩行者に突っ込んだタンクローリーの運転手も許せるものではありません。
 
 この事故に対する大阪府警や大阪地裁の判断が正当であるかのような報道はそれ以上に問題で、あまりにもタンクローリーに轢かれた被害者をないがしろにした、自転車の無職男性の責任ばかりが強調される報道の反省も重大である。
 
                                1月20日の一言